羅組奄 らくえん

組み紐 幻の技法
「組」
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組み紐とは
 太古以来、人々は生活の必要性から原初的な「ひも(=紐)」を生み出しました。この「ひも」は、自然界で簡単に入手できる素材を用い、「二本の縦糸」による縄のようなものと考えられています。この「ひも」を作る方法が、もっともシンプルな「組の技法」といわれるものです。

 その昔、日本は中国や朝鮮半島との交流によって、ユーラシア大陸の文物を手に入れました。その代表的なものが仏教の伝来であり、他面では、遣隋使や遣唐使の派遣でした。とりわけ、わが国が積極的に取り入れたものは、当時の世界図版で最も国際色豊かな中国の超世界一級の文化と技術だったのです。

 こうして日本にもたらされた大陸の文化は、律令という形でまとめられました。大宝律令(701)は、それまでの社会制度や秩序を一変させ、明治時代までの長い間、日本の規範となりました。
 生活の必要性から出発した実用的な「ひも」も、律令の規範にのって装飾性と特殊性を兼ね備えた「組紐」や「組み帯」へと発展し、朝廷・公家・貴族・武家といった特殊な社会秩序に組み込まれて、一般庶民から隔絶されることとなってしまいました。律令時代の男子の朝服や束帯などに使用が限定されていることからも、その特殊性をうかがい知ることが出来ます。「組の技法」としては基礎の技法といわれる「安田組」・「高麗組」・「笹波組」・「唐組」が多様に使われています。

 時は幕末から明治維新、「文明開化」とともに律令時代の規範は刷新され、「組紐」・「組み帯」も庶民のものとなったのです。 ところが残念なことに、奈良時代から続いた「組紐」・「組み帯」の特殊性のためか、多くの人々は身につけることをためらいました。 こうした中で、人々は次第に組紐を使った「帯締め」を受け入れはじめ、「組紐=帯締め」という単純図式が現在までも定着していると考えられます。
構造
「組物」とは縦糸のみを用いて、「布」や「紐」を作ることを指します。糸を操りやすくするために、玉と呼ばれる道具に糸を巻き取り、玉(=糸)を交互に組替える作業を繰り返して作ります。完成した「紐」や「帯」や「布」は、糸が常に斜めに交差した構造(バイアス状)になっているのが特徴です。均一な構造の製品に仕上げるには、卓越した技量と手間が必要です。
材料
古くは用途と目的に合わせて木綿や麻が用いられていました。今日では、「組物」=「組紐」=「帯締め」の図式が定着して、和装に使用されることが多く絹が一般的です。また、絹は摩擦係数が低く、組み目を締め込み易く、密度の高い製品に仕上げる利点もあります。
「組物」はその構造上、伸縮性と強度を兼ね備えており、結ぶ・締める・巻くなどの用途に適しています。「帯や帯締め」は勿論のこと、「鎧や刀の柄糸(つかいと)」や「掛け軸を吊り下げる紐」など、私たちの文化の中にその使用例を多く見い出すことができます。私たちの祖先は、経験的に「組み物の特性を知り」、その用途に応じて多様に使ってきたことを知るべきでしょう。(組み物の再発見)
 
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